2016-8-17 秋刀魚のわた。食べる?食べない?!

2016-8-17 秋刀魚のわた。食べる?食べない?!

毎年のごとく、超高値から始まった秋刀魚。
それも今日は比較的落ち着き、1尾丸ごと塩焼でも
お手ごろ価格でおすすめできる程にはなりました。

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秋刀魚の塩焼きといえば。。。
『秋刀魚のわたを食べるか食べないか』
これが論じられる事が多いです。

他の魚のわたはそのまま焼いて食べないのに
何で秋刀魚はそのまま焼いて食べられるの?
そういう疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。

内臓に毒を持つなど特殊な例を除き
魚の内臓で食べられないのは『苦玉』と
魚自体が食べた餌の残骸・内容物。

秋刀魚には胃が無く、また腸も真っ直ぐで短いため
食べたものが消化器官にたまる時間が極端に少ない。
それに『苦玉』も美味しさの一部として捉えられています。
なので秋刀魚のわたは全てが可食部分。
これが秋刀魚の塩焼きが『丸ごと』焼かれる理由。

新鮮な秋刀魚のわたは
脂と肝の甘味と、苦玉の苦味が絶妙なバランス。
濃厚な大人の味がたまらないという方も多いでしょう。
しかしこれが鮮度落ちするとすぐに別の苦味成分が生成され
また苦玉が割れて、わた全体に苦味が回ったりと一気にまずくなります。
本当に新鮮な秋刀魚のわたならぜひ食べてみる価値あり!

しかしこの時期主流の『棒受け漁』による秋刀魚は
集魚灯で集めた秋刀魚を一気に掬い獲るため
秋刀魚同士がはがれた鱗を食べてしまい
わたに大量の鱗が入ってしまっています。

刺し網の秋刀魚なら、わたに鱗はありませんが、
脂が乗り切る前に獲れた物が多く、棒受けで獲られたものに
比べると鮮度もいまいち。。。

ということは。。。
新鮮な秋刀魚のわたには鱗があって、
鱗の無い秋刀魚は鮮度が心配なのでわたの味がいまいち。
結局「秋刀魚のわたは食べない方が良い!」という結果?!

だがしかし!
秋刀魚のわたの味わいは、鱗が食感を邪魔する事を差し引いても
魅力あふれる代物!僕はあまり気にせず食べてしまいます。

どうしても気になる!のならば
先にわたを外して、塩を当て、蒸すなり焼くなりしたものに
濃口・酒・味醂などを加えて『わた醤油』を作っておく。

これに焼いた秋刀魚をつけながら食べてもいいし
3枚におろした身に薄塩をあててから漬け込み
風干しした「秋刀魚のわた焼き」にしてもいい!

今日の秋刀魚は造りにできるほど新鮮なもの!
鮮度の落ちた秋刀魚を食べて『秋刀魚のわたはまずい」
と思い込んでいる方。
『内臓を食べるなんて。。。』と毛嫌いされている方。
ぜひ一度美味しい秋刀魚のわたをお召し上がりください!

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